以前、フジテレビの番組「田舎で1000万プレイヤー -都会を離れて稼ぐ人たちに第7世代芸人たちが突撃!-」で、アスパラガスを栽培して1,000万円の年収を得ている農家の方のことを書きました。
その番組で、鳩(ハト)を飼育して1000万円の年収がある人も紹介されていたんです。
その人とは、福島県郡山市田村町に在住の鈴木司さん(60歳)。
鈴木さんは、元々親の農業を継いでいましたが、農業に加えて中古車販売の会社も経営も始め、そしてさらに、ハトの飼育も始めたそうです。
広い敷地に3棟の大きな鳩舎が建っていて、約1,000羽ものハトを飼育しています。
さまざまな需要がある白いハト
鈴木さんが飼育している白いハトは、どんなことに使われているのかというと、それはイベントです。
屋外で行われる結婚式やコンサートなどのイベントで、何羽もの白いハトが大空に羽ばたいていくのを見たことがあるでしょう。
ちなみに、僕が子どもの頃に見ていた「クイズダービー」という番組のコマーシャルで、白いハトがたくさん飛び立っていくのが印象的でよく覚えています。
結婚式では、永遠(とわ)の愛を誓うという意味をこめて、10羽のハトを飛ばすそうです。
樹との結婚式にもハトの演出使いたいな(?)
— まみむめも🗝🚩 (@st_sz_mmmmm) September 15, 2020
お葬式では、初七日とか四十九日という七に関係することから、左右で7羽ずつなんですね。
今年は、新型コロナウイルスの影響で、お葬式くらいは盛大に送ってあげたいと、ハトの依頼が増えているようです。
鈴木さんの会社は、年間1,000件以上もの依頼を受けています!
価格は、福島県郡山市内だと、10羽で3万8,500円、市外で8万8,000円。
今までで一番高額の依頼は、2013年に横浜の日産スタジアムで行われたAKB48のコンサートで、一回で数百万円だったそうです。
ただ、福島から遠い横浜だったので、150羽のうち1羽しか帰ってこなかったそうですが(;´Д`)。
ハトの飼育事情
ハトは帰巣本能というものがあって、あまりに遠くなければ、自ら鳩舎に帰ってきてくれるんです。
再利用(というと語弊がありそうですが)できるので、ありがたいですね。
帰ってこないハトもいるので、それを想定して常に1,000羽以上を飼育しているそうです。餌代がすごそう( ;∀;)
でも、鈴木さんの会社ではハトだけでも2,000万円から3,000万円の収入があるそうですよ。
ハトはただ飼っているだけではダメで、飛行訓練をしなければなりません。
朝から夕方まで1日5回の飛行をします。
様々な時間帯のイベントに対応できるようにするためなんですね。
しかも、雨天時でも飛ばすそうです。
結婚式当日が雨だったとしても断らないためなんですね。
「雨なので、ハトは飛ばせません」と言っていたら、仕事の依頼が来なくなりそうですもんね。
鈴木さんの会社だけが生き残れた理由
親の農業を継いでいた鈴木さんが、20代の時にハトを飛ばす事業を始めたんですが、依頼が少なく数年間は食べていくのがやっとだったそうです。
同業者は近隣に10数軒いたそうですが、現在は鈴木さんの会社だけが残っているとのこと。
なぜ、鈴木さんの会社だけが生き残れたのか?
仕事を増やしたい鈴木さんがしたこととは、お見合いです!
100件以上のお見合いをプロデュースしたそうです。
お見合いが上手くいって、結婚する人が増えれば、結婚式が増えます。
結婚式が増えれば、鈴木さんのハトの出番というわけですね。
鈴木さんは、結婚式場とパートナーシップを結び、ハトの依頼は順調に増えていきました。
まとめ
取材をしていたティモンディの高岸さんがトレードマークの鮮やかなオレンジ色のTシャツを着ていたので、外に飛び出したハトがその色に警戒して、なかなか鳩舎に入ろうとしませんでした。
やっぱり小型の鳥のせいなのか、注意深いんですね。
鈴木さんは「誰でもできる。簡単だ!」と言っていましたが、やはり苦労はあると思います。
たくさんの数を飼育していると病気にかかるかもしれませんし、ヘビなど外敵から守る必要もあるでしょう。
でも、イベントでハトが飛び立ったときに、来場者の皆さんの幸せそうな笑顔が見られるのは悪くない仕事ですよね。
同じ番組「田舎で1000万プレイヤー -都会を離れて稼ぐ人たちに第7世代芸人たちが突撃!-」で、すっぽんを養殖して1,000万円の年収を得ている沖縄の方のことも書きましたので、良かったらどうぞ。
【追記】
先日、NHKの「所さん!大変ですよ」という番組の「葬儀ビジネス最前線 ハトで大もうけ!?」の回にも、鈴木司さんが出演されていました。
新型コロナウイルスの影響が長引き、お葬式でのハトの需要が減ってきたそうです。
イベントは無くなっても、餌は与えなくてはならないので大変だと言っていました。
この疫病は早く終息してほしいものです。
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