LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは、韓国のペ・ソンウさんが優勝し、2019年の最終戦を終えました。
鈴木愛さんと渋野日向子さんの賞金女王争いもあり、最終日まで目の離せない大会となりました。
今年は、全英女子オープンを制したしぶこことスマイリングシンデレラ渋野日向子さんが脚光を浴びましたが、徳島出身の鈴木愛さんや愛媛出身の河本結さんなど、四国の女子プロゴルファーの強さが光った一年だったのではないでしょうか。
徳島出身の鈴木愛さん
鈴木愛さんは、2016年に5位、2017年に賞金女王、2018年は3位、そして今季は2度目の賞金女王と安定した成績を残しています。
そして今季は、3月に1勝、6月に2週連続優勝し、9月に1勝、11月にアメリカツアーで初優勝を含む3週連続優勝を達成(史上2人目)し、7勝もあげたのです。
最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップでも賞金女王争いのプレッシャーを感じながらも、最終日に追い上げを見せ5位タイでした。
まだ25歳なので、これからもっとすごい選手になりそうですね!
鈴木さんは、小学校5年生からゴルフを始め、中学生の時にはもう、四国女子アマチュアゴルフ選手権競技で優勝するなど、才能を花開かせます。
2013年にはプロテストに合格し、2014年9月のLPGAツアー日本女子プロゴルフ選手権大会で20歳と128日でのツアー初勝利をあげました。
この記録は、宮里藍さんが2006年に達成した21歳と83日の同大会史上最年少優勝を更新するものでした。
愛媛出身の河本結さん
河本結さんは、渋野日向子さんと同じ学年、同じプロテスト合格日の90期生、黄金世代と呼ばれています。
5歳からゴルフを始め、空手やサッカー、バレーボール、水泳、陸上(短距離走、砲丸投げ)等を経験したスポーツ少女だったようですね。
中学生の時には様々な大会で優勝し、松山聖陵高校へ進学します。
同じ学年の同級生には、広島カープに入団するアドゥワ誠さんもいて、プロになる時に「お互いに頑張ろう!」と誓いあったとか。
なんと、志願して野球部の厳しい練習にも参加していたらしいです。根性がありますね!
日本体育大学へ進学し、学業と女子プロゴルファーを両立させています。
プロ1年目の2018年ステップアップツアーでは賞金女王に輝いて、2019年のレギュラーツアーリランキングまでの出場権を手に入れました。
2019年3月の第7回アクサレディスゴルフトーナメントが今季唯一の優勝でした。
優勝は一度のみでしたが、10位以内に入った大会が11回もあり、プロ2年目で賞金ランキング6位と、順調に成長されているんじゃないでしょうか!
来年に控える東京オリンピック出場にも意欲的なので、故郷愛媛の人たちに勇気と感動を与えてほしいものです。
女子プロゴルファーになるには?
そもそも、いったいどうすれば女子プロゴルファーになれるのでしょうか。
まず、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)が一年に一度実施するプロテストに合格する必要があります。
8月下旬から9月上旬に第1次予選があり、上位で通過すると9月下旬から10月上旬にかけて第2次予選があり、それにも上位で通過すると11月上旬に最終プロテストがあります。
上位20位タイまでが合格ラインで、2019年は21人が合格しました。
合格率はほんの数%と言われていて、女子プロゴルファーというのは一握りの限られた人しかなれない職業なんですね。
一打差で不合格となってしまった選手はすごく悔しいでしょう。
でもこのプロテストを受けなくても、プロになるチャンスはあるんです。
アマチュアの選手でも、ツアートーナメントで優勝するなどの好成績をおさめれば、特例ですがプロになれます。
女子プロの厳しい現実
いざプロになれても、厳しい日々が待ち受けているんですね。
今年度の女子ツアーの数は、全36試合です。
賞金ランキング上位50名に入れなければ、来季のシード権を獲得することはできません。
約1000人の女子プロ選手がいるといわれていますので、わずか5%の人しかシード権は与えられないのですね。
シード権を得られなかったら、どうやったらツアーに参加できるのでしょうか。
クォリファイングトーナメント
来季のシード権を獲得かけて戦うトーナメントが、クォリファイングトーナメント(略してQT)です。
ファースト、セカンド、サード、ファイナルと4回も勝ち抜く必要があるんですね。
なんて過酷なんだ( ゚Д゚)
ステップアップツアー
ステップアップツアーの賞金ランキング1位と2位を獲得した選手にも翌年のツアー出場資格が与えられます。
ここでも厳しい生き残り競争が繰り広げられますね。
ステップアップツアーは、ツアーの出場権がない選手に試合経験を積ませたり、技術の向上を図るために、1991年から始まり、2019年は20試合開催されました。
まとめ
テレビで華やかにプレーする女子プロゴルファーですが、プロになる道のりはとても厳しく、プロになれたとしてもさらに過酷な生存競争が待ち受けます。
ツアーで40位くらいでも約40万円の賞金がもらえるなんていいな!と思っていましたが、エントリーフィー(参加費)や現地までの交通費、宿泊費、キャディー代までも自分で払う必要があるんですね。
これでは、予選を通過できなければ大赤字じゃないですか!
今まではキラキラした一面しか見えていませんでしたが、これからは女子プロゴルファーたちの生き延びるための孤独な闘いにも目を向けていきたいですね。
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